n8nスターターガイド記事を投稿しました。
【超解説】n8nで業務を劇的に自動化!ノーコードから高度なAI連携まで

「日々の繰り返し作業に追われている」「もっと効率的に業務を進めたいけれど、プログラミングは苦手」——そんな悩みを解決するのが、「n8n(エヌ・エイト・エヌ)」です。
n8nは、オープンソースのローコード自動化ツール。
プログラミング知識がなくても、簡単にワークフローを構築でき、サービスとサービスを繋げて業務を自動化できる非常に強力なツールです!
この記事では、n8nの基本的な仕組みから、具体的な使い方、活用事例、他の自動化ツールとの比較までを解説します。
n8nとは?:オープンソースで拓く自動化の新境地
n8n(エヌ・エイト・エヌ)は、ドイツで開発されたオープンソースのワークフロー自動化ツールです。
最大の特徴は、ノーコード・ローコードで複雑な処理を自動化できる点です。
プログラミング知識がなくてもドラッグ&ドロップ操作で視覚的にワークフローを構築できるため、エンジニアでなくても直感的に扱えます。既存のサービス同士を繋ぎ合わせることで、業務の効率化を図ることが可能になるということです。
n8nは、ZapierやMakeなどの自動化ツールと同様に複数のアプリやサービスを連携させますが、「自由度」「コストの安さ」「商用利用の柔軟性」「オンプレミス(セルフホスト)対応」の点で独自性を持っています。
特に、セルフホストが可能であり、データを自分のサーバー内に保持できる点が大きな強みで、この柔軟性と拡張性の高さから、多くの企業で導入が進んでおり、近年では生成AIとの連携を視野に入れた活用も増えています。
連携できるアプリ・サービスは1000種類を超え、Googleスプレッドシート、Gmail、LINE、Slack、といった定番サービスはもちろん、自社システムのAPIも接続ができます。
基本用語
- ワークフロー:自動化したい一連の処理の流れ全体
- ノード:ワークフローを構成する一つ一つのステップ
- 実行(Execution):ワークフロー全体を動かすこと
- トリガー:ワークフローの開始条件を指定するノード
- コネクション:ノードとノードを繋ぐ線(データの流れ)
n8nでできること:無限に広がる業務自動化の可能性
n8nは、日頃の業務から、より高度な専門性を必要とされるシステム運用まで、幅広い分野で活用できる汎用性の高いツールです。その核となるのが「ワークフロー」と「ノード」という概念です。
ワークフローとは、例えば、「お客様からメッセージが届いたら、顧客リストを作成、簡単な質問には自動で回答し、カスタマーサポートが必要なものは選定して担当者へ連絡する」といった一連のタスクがワークフローの一例です。
n8nでは、この「業務の流れ」一つひとつを「ノード」と呼び、このノード(業務)を組み合わせながらワークフローを作っていきます。
具体的に、n8nで実現できることを見てみましょう。
顧客対応(LINE公式アカウント)
LINE公式アカウントにメッセージが届いたら自動でスプレッドシートに保存
→ 顧客リストを自動生成し、問い合わせ履歴も管理可能
よくある質問にはAI(ChatGPT連携)で自動返信
→ 「営業時間は?」「メニューは?」などに即答
ChatGPT連携で問い合わせ内容を要約 → 担当者がすぐ対応できるように整理
新規登録者に対して LINEで自動ウェルカムメッセージ+クーポン配布
営業・マーケティング
Googleフォームやスプレッドシートで新規リードを受信 → Sansan/Salesforce/kintone に自動登録
新規顧客登録後、メール配信システム(Mailchimp/Benchmark Email/配配メールなど)で自動ウェルカムメール送信
SNS(X(旧Twitter)やInstagram)で「自社名」や「商品名」を含む投稿を自動収集し、Slack/LINE WORKSへ通知
プロジェクト管理・社内連携
Backlog/Redmine/kintoneに新しいタスクが追加されたらSlackへ通知
Googleカレンダーにタスク期限を自動登録
定例会議前に進捗データを自動で集計し、Slackにサマリーを送信
バックオフィス効率化
請求書PDFをGoogle Driveにアップロード → AI+OCRで金額、日付を抽出 → freeeやマネーフォワードに自動入力
顧客アンケート結果を自動集計し、LINEに「サマリーレポート」を送る
人事・総務
新入社員情報をスプレッドシートに追加したら、Google Workspace/Microsoft 365アカウント自動発行
勤怠管理システム(KING OF TIME/ジョブカン)のデータを収集し、月次で集計 → スプレッドシート/Slackへ共有
ChatworkやLINE WORKSに「残業申請」や「有給申請」が届いたら、承認フローを自動化
これらの例からもわかるように、n8nは単なるタスク自動化にとどまらず、業務プロセス全体の効率化、データ活用の促進、そしてAIとの連携による新しい価値創造を可能にする強力なツールです。
n8nの3つの導入方法:ニーズに合わせた柔軟な選択
n8nは、利用環境や目的に応じて、クラウド版、ローカル版(セルフホスト版)、デスクトップ版の3種類の実行方法が用意されています。
| 特徴 | クラウド版 (n8n.cloud) | ローカル版 (Docker/ セルフホスト版) | デスクトップ版 |
| 導入の手軽さ | ◎ ブラウザで即利用可 | △ Docker環境の準備が必要 | ◎ PCに直接インストール |
| 自由度・拡張性 | △ 制限あり(無料枠など) | ◎ カスタマイズ・無制限 | △ 個人利用・学習用途 |
| セキュリティ面 | △ インターネット接続が必要 | ◎ 社内ネットワークだけで完結 | ◎ 社外にデータ送信しない |
| 利用料金 | △ 無料枠あり(超過時は有料) | ◎ 基本無料 | ◎ 無料 |
| 管理・運用 | n8nがホスティング、サーバー管理不要 | サーバー構築・セキュリティ管理に知識必要 | PC故障で動作停止リスク |
| 最適な用途 | チーム利用、商用利用、初心者向け | 大規模利用、高度な機能、ITスキル中級者以上向け、データプライバシー重視 | 個人利用、学習用途 |
初めてn8nを触る方には、手軽に始められるクラウド版がおすすめです。まずはクラウド版で動作を確認し、その後必要に応じてローカル運用に移行するのも良いでしょう。
商用利用
n8nのライセンスはフェアコードライセンスを採用しており、商用利用は一部可能です。
非商用・個人的な使用に限り許可されています。ただし、n8nをホワイトラベル化して顧客に有料提供することや、n8nをホスティングしアクセスに対して課金することは許可されていません。
しかし、2025年8月7日には、商用向けプランとして「ビジネスプラン(セルフホスト版)」が導入され、このプランでは月額€667を支払うことで、n8n社が提供する追加サポートや商用機能を利用できます。
これにより、セルフホスト版を無料で利用しつつ、必要に応じて確実な商用サポートを受けることが可能になりました。
プラン内容は変更となる可能性があるので、詳しくは公式HPをご確認ください。
クラウド版料金プラン

Enterprise: 要問い合わせ。ワークフロー実行無制限、同時実行数200件以上など。
※上記情報は2025年8月時点のもの。
始め方
n8nの導入方法が分かったところで、実際にワークフローを構築してみましょう。
クラウド版登録ステップ
「n8n」と検索するとトップに表示されます

1.右上の「Get started」ボタンをクリック

2.アドレスやパスワードを入れ「Start free 14day trial」を押す

3.アンケートに回答(利用に影響あはないので、適度な回答でOKです)

4.自分が使いそうなツールを選択する

5.チームメンバーの招待は招待者がいなければスキップ

6.このような画面になれば登録完了です

実践例:n8nでGmail下書きを自動作成してみよう
まずは、新着メールを受信したら、その内容をGPTで解読し、返信文の下書きを自動で作るという簡単なワークフローをご紹介します。事前に「GoogleアカウントのOAuth2認証」と「OpenAIのAPI接続」が必要です。

フローの流れは3ステップです。
1.トリガー:Gmailの新着メールを受信(1分ごとにチェック)
2.処理:OpenAIノードでメール本文を要約し、返信文を生成
プロンプト例:
「このメール文面に対しての返信文を考えてください。件名は不要で、返信文のみを出力してください。」
3.出力:Gmailノードで「下書きを作成」し、元メールのスレッドIDに紐づけて保存
上記のワークフローを有効化すると、新しいメールが届くたびに自動で下書きが生成されるので、対応スピードを大幅に向上できます。
主なノードカテゴリー

n8nと他の自動化ツールとの比較:最適な選択のために
n8nと比較されるのが、Zapier、Make、Microsoft Power Automateといったサービスです。
Zapierとの違い
Zapier
- アプリ連携数が非常に多い(数千種類対応)
- 操作はシンプルで直感的
- ただし無料枠が少なく、料金はやや高め
- タスクの流れは「直線的(シンプルな一方向処理)」
n8n
- オープンソースなので セルフホスト可能(低コスト)
- 商用利用も柔軟に対応
- 条件分岐や複雑な処理も可能(ノードを自由に組み合わせられる)
Make(旧 Integromat)との違い
Make
- ビジュアル的にフローを作れる(直感的)
- 分岐処理も対応して柔軟
- ただし、高度な機能を使うには有料プランが必要
n8n
- 同じくビジュアルでワークフロー構築可能
- 完全無料でセルフホストできる
- オープンソースなので 拡張性・カスタマイズ性が高い
Microsoft Power Automateとの違い
Power Automate
- Microsoft 365との統合が得意
- ただし対応範囲がMicrosoft製品中心になりがち
- 外部サービス連携は限定的
n8n
- 1000以上のアプリ連携や外部APIに対応
- Microsoft製品以外の環境やマルチクラウド利用でも活躍できる
Difyとの違い
Dify
- 大規模言語モデル(GPTなど)を使ったAIアプリ開発に特化
- ノーコードでAIアプリを作れるのが強み
n8n
- AIアプリ開発ではなく、業務の自動化・効率化にフォーカス
- 既存サービス同士をつなげて使うのが主眼
これらの比較から、n8nは「コストを抑えながら柔軟に自動化したい人・企業」にとって、非常に魅力的な選択肢であるということです。
n8nの注意点・デメリット:導入前に知っておくべきこと
便利で柔軟性の高いn8nですが、導入前に知っておくべき注意点やデメリットも存在します。
学習コストと習得難易度
n8nはノーコードツールとはいえ、ノードの設定項目が多く、最初は操作方法や仕組みを理解するのに時間がかかる場合があります。
高度なカスタマイズにはJavaScriptの知識が必要なケースもあります。
セルフホスト運用時のリスク
オープンソースでセルフホスト可能ですが、その分サーバー管理やセキュリティ対策を自分で行う必要があります。
Dockerやクラウド環境の構築に慣れていない場合、導入ハードルが高くなる点はデメリットです。
他ツールと比較した制約
ZapierやMakeと比べると、対応アプリの数がまだ少ないのが現状です(Zapierは数千種類に対応)。
また、日本語の公式ドキュメントやサポート情報はまだ限定的なため、情報収集に英語の資料が必要になるケースもあります。
こうしたデメリットを考慮し、自社のリソースや利用環境を踏まえて導入を検討することが重要です。
n8nに関するよくある質問(FAQ)
n8nの導入を検討している方や、他ツールとの比較をしたい方のために、よくある質問をまとめました。
Q1. n8nは無料で使えますか?
A. セルフホスト版は基本的に無料で利用できます。クラウド版には無料トライアルがあり、個人利用や小規模用途であれば無料で使い続けられます。ただし、商用規模での再販やSaaS提供などにはライセンス上の制限があります。
Q2. n8nはどのようなサービスと連携できますか?
A. Googleサービス、Slack、X(旧Twitter)、Teams、Trelloなど、様々なサービスと連携が可能です。HTTP Requestノードを使えば、APIを持つ多くのサービスとも連携できます。連携可能サービスは1000種類以上あります。
Q3. n8nを使うにはプログラミングの知識が必要ですか?
A. 必ずしも必要ではありません。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)でワークフローを構築できるため、ドラッグ&ドロップ操作で多くの処理を構築できます。ただし、より複雑な処理を行いたい場合はJavaScriptなどの知識があると応用が利きます。
Q4. n8nはオンプレミスで利用できますか?
A. 利用できます。n8nはDockerイメージとして提供されているため、Dockerが動作する環境であれば、オンプレミスで利用可能です。
Q5. n8nのワークフローはどのように共有できますか?
A. n8nのワークフローは、JSON形式でエクスポート・インポートできます。これにより、他のユーザーとワークフローを共有したり、テンプレートとして再利用したりできます。クラウド版の有料プランでは、チームでワークフローを共有する機能も提供されています。
まとめ:n8nでワークフローを自動化し、業務を効率化しよう
n8nは、オープンソースのローコード自動化ツールとして、既存のサービス同士を繋ぎ合わせ、業務の自動化・効率化を驚くほど簡単に実現できる強力なプラットフォームです。
n8nを活用すれば、業務効率化の新たな扉が開き、あなたの時間と労力を大幅に節約できるはずです。
無料で始められるので、まずは1つ「これ自動化できたら助かる」という作業から始めてみてください。
やってみたいけど一人じゃ難しそう。ノーコードとは言えハードルが高い。
という方は、弊社の無料オンラインスクールで、あなたのアイデアを一緒に形にしていきましょう。
ぜひ、この強力なツールを導入し、業務にどう活かせるか、効率化の可能性を探ってみてください。
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