【保存版】AGENTS.md CLAUDE.md を1本化する設定ガイド

- AGENTS.md は 2025-12-09 発足の Agentic AI Foundation(Linux Foundation 傘下)が管理する共通形式で、公式の定義は「エージェント向けのREADME」。一社の独自形式ではありません
- Claude Code は v2.1.277(2026-09-18)で AGENTS.md に対応。既定では、自分の指示書を持たないプロジェクトが AGENTS.md を CLAUDE.md と同じ扱いで読みます
- 読み込みモードは4種類あります。読み込みモードの設定はプロジェクトの .claude/settings.json では読まれません。全社に強制できるのは管理設定だけで、各自のユーザー設定は一人ずつ入れる置き場所です
- Codex は起動時にリポジトリの最上位から現在地までの各階層の AGENTS.md を連結し、合計32KiB(project_doc_max_bytes の既定)で読み込みをやめます。正本を太らせない設計が前提です
- CLAUDE.md は公式に「強制される設定ではなくコンテキスト」。禁止事項は指示書ではなく、操作の直前に割り込んで止める PreToolUse フックと権限設定で担保します
- 同じ指示で同じ結果が出るかは、Claude Code の /context、/memory、/doctor と Codex の /status で確かめます
AGENTS.md は、複数のAIコーディングツールが共通で読む指示書の形式です。
CLAUDE.md は Claude Code が読む指示書で、こちらは Claude Code 固有のものです。
両方を別々に育てると中身が必ずずれるので、更新するのは1ファイルだけと決めます(この記事ではそのファイルを正本と呼びます)。
正本を片方に寄せ、もう片方の設定から同じファイルを読ませます。
私は Re-rail で約50社・20業界(2026年7月時点)の法人セットアップを担当してきました。
つまずき方はどの会社でもだいたい同じです。
指示書を2つ置いたまま、どちらが効いているのか誰も分からなくなり、そこで運用が止まります。
以下は 2026-10-22 に公式ドキュメントで確認した内容です。
仕様は更新されるので、確認日と出典URLを添えて書きます。
AGENTS.md と CLAUDE.md は何が違うのか
AGENTS.md はエージェント向けのREADME(管理は Linux Foundation 傘下の Agentic AI Foundation)
agents.md の公式サイトは、AGENTS.md を「a README for agents」と定義しています。
README.md が人間向けの説明であるのに対し、AGENTS.md はビルドの手順、テストの流し方、コーディングの約束といった、AIが作業するために要る情報を置く場所です。
2026-10-22 時点の公式サイトには「AGENTS.md is now stewarded by the Agentic AI Foundation under the Linux Foundation.」と明記されています(出典 https://agents.md/ )。
AAIF(Agentic AI Foundation)の設立発表は 2025-12-09 です。
OpenAI が AGENTS.md、Anthropic が MCP、Block が goose を寄贈し、創設時のプラチナ会員は AWS、Anthropic、Block、Bloomberg、Cloudflare、Google、Microsoft、OpenAI の8社でした(出典 Linux Foundation の発表)。
採用規模の公式表記は「used by over 60k open-source projects」で、訳すと「6万を超えるオープンソースプロジェクトで使われている」です。
CLAUDE.md は Claude Code が読む指示書で、強制力はない
CLAUDE.md は、Claude Code がセッションごとに読む指示書です。
ただし公式のメモリのページには「Claude treats them as context, not enforced configuration」と書かれています(出典 https://code.claude.com/docs/en/memory )。
公式ドキュメントは、CLAUDE.md を強制される設定ではなくコンテキストと明記しています。
つまり、書いたことが必ず守られる仕組みではありません。
この性質は禁止事項の扱いを左右するので、あとで節をひとつ使って扱います。
役割で分けると置き場所の迷いが消える
置き場所は公式の .claude ディレクトリの解説(https://code.claude.com/docs/en/claude-directory )に合わせています。
GitHub Copilot には、GitHub 上で作業を任せるクラウドのエージェントと、手元の VS Code で対話する Copilot Chat があり、読むファイルが違います。
| ファイル | 主に読むツール | 置き場所 | Gitにコミットするか | 書く内容 |
|---|---|---|---|---|
| AGENTS.md | Claude Code、Codex、GitHub Copilot のクラウドのエージェント、VS Code の Copilot Chat(Copilot Chat が読む指示書に CLAUDE.md の記載なし) | プロジェクト直下(Claude Code は .claude/ や任意のディレクトリでも読む) | コミットする | 会社共通のルールと判断基準、社内用語、禁止事項(担保はフックと権限設定で行う)、成果物の形 |
| CLAUDE.md | Claude Code(GitHub Copilot のクラウドのエージェントも読む) | プロジェクト直下、または ~/.claude/ | プロジェクト直下はコミットする/~/.claude/ は各自のユーザー設定でリポジトリ外のためコミットしない | Claude Code だけに効かせたい指示(方式A=CLAUDE.md を正本にする置き方なら、AGENTS.md 行の内容をここに書く) |
| CLAUDE.local.md | Claude Code のみ | プロジェクト直下(手で作る) | コミットしない(.gitignore に入れる) | 個人の好みと手元の環境の事情。置くと既定モードでは AGENTS.md が読まれなくなる(公式README)。AGENTS.md を正本にするなら、読み込みモードを claude-md-and-agents-md(AGENTS.md を CLAUDE.md と並べて読む設定)に変える |
| .claude/rules/*.md | Claude Code のみ | .claude/rules/ の中 | コミットする | 話題ごとの決まり。ファイル先頭の設定欄(frontmatter)の paths で対象パスを限定できる |
| 自動メモリ(~/.claude/projects/ |
Claude Code のみ | ユーザーのホーム配下(Claude が自分で書き足す) | コミットしない(リポジトリの外) | Claude 自身が残す記録。毎セッション読まれるのは先頭200行または25KBまで |
2026年に公式ドキュメントのURLが移転しました。
docs.claude.com/en/docs/claude-code/ 配下は code.claude.com/docs/en/ へ、developers.openai.com/codex 配下は learn.chatgpt.com/docs へ転送されます(2026-10-22に実測)。
社内手順書に古いリンクが残っていたら、ここで貼り替えておくと後の問い合わせが減ります。

Claude Code はどちらを読むのか(v2.1.277 以降)
AGENTS.md 対応は 2026-09-18 の v2.1.277 から
対応が入った版のリリース原文はこうです。
Added AGENTS.md support: in a project with no CLAUDE.md, Claude Code reads
AGENTS.md instead; change it under "Project instructions" in /config
(not yet on Bedrock, Vertex or Foundry)
(出典 https://github.com/anthropics/claude-code/releases/tag/v2.1.277 )
この原文は、変更は設定画面を開く /config の「Project instructions」で行うとも書いています。
末尾の括弧は、クラウドの基盤経由(Bedrock、Vertex、Foundry)ではまだ AGENTS.md 対応が入っていないという注記です。
この制約が解除されたという記述は、2026-10-22 時点の公式リリースノートにも、v2.1.281、v2.1.282、v2.1.285 にも見当たりません。
クラウドの基盤経由で使う会社は、読み込まれた指示書の一覧を表示する /context を開いて確かめてください。
既定の条件はリリースノートと公式READMEで表現が違う
リリースノートの条件は「in a project with no CLAUDE.md」で、訳は「CLAUDE.md が無いプロジェクトでは」。
一方、AGENTS.md 対応は Claude Code 組み込みのプラグイン(設定ID agents-md@builtin)として提供されています。
その公式READMEの条件は「A project with no instruction files of its own」で、訳は「自分の指示書を持たないプロジェクトでは」です。
後者は CLAUDE.local.md を含むと公式READMEが明記しているので、この2つの表現を合わせて読みます。
公式READMEは、ルートから現在のディレクトリまでのどこかの階層に CLAUDE.md、.claude/CLAUDE.md、CLAUDE.local.md があれば、プラグインは関与せず AGENTS.md は読まれないと明記しています。
同READMEは、管理設定の CLAUDE.md、各自の ~/.claude/CLAUDE.md、.claude/rules、作業の対象として後から追加したフォルダの CLAUDE.md は判定に数えない(do not count)と明記しています。
手元に ~/.claude/CLAUDE.md があっても既定モードの判定は変わりません。
4つのモードの違いと、どれを選ぶか
モードは4つです。
claude-md は CLAUDE.md だけを読みます。
既定の claude-md-or-agents-md は、自分の指示書がないプロジェクトで AGENTS.md を CLAUDE.md と同じ扱いで読みます。
claude-md-and-agents-md は、AGENTS.md を CLAUDE.md と並べて読みます。
managed-only は、管理者が配る CLAUDE.md と、Claude が自分で書く自動メモリだけを残します。
まず見るのは既定です。
managed-only はリポジトリに置いた正本も読まれなくなるので、全社に設定を強制するときと、不具合の原因を絞り込むときだけ使います。
CLAUDE.md も残すなら claude-md-and-agents-md です。
キーと値の細部は公式README(https://github.com/anthropics/claude-code/blob/main/mods/agents-md/README.md )に任せます。
claude-md-and-agents-md では、CLAUDE.md に @AGENTS.md と書いて別のファイルを読み込ませた場合も、パスが同じか中身が同じなら二重には読まれません(同README)。
Claude Code は Free プランに含まれず Pro 以上が必要です(https://claude.com/pricing ・2026-10-22時点)。
Codex は ChatGPT の Free、Go、Plus、Pro、Business などに含まれます(https://learn.chatgpt.com/docs/pricing ・同日時点)。
読み込みモードは、この AGENTS.md 対応プラグインの設定です。公式READMEは「A project’s .claude/settings.json is not read for plugin options」と明記しています。訳すと「プロジェクトの .claude/settings.json は、プラグインの設定としては読まれない」です。全社に強制できるのは管理設定だけで、各自のユーザー設定と起動時の –settings 指定は一人ずつ入れます。置き場所は公式の管理設定の解説(https://code.claude.com/docs/en/managed-settings )にあります。
Codex はどちらを読むのか(探索順と32KiBの上限)
起動時にリポジトリの最上位から現在地まで連結し、近い方が勝つ
Codex は、利用者ごとの設定フォルダ ~/.codex(CODEX_HOME)に置いた AGENTS.override.md を先に探し、無ければ同じフォルダの AGENTS.md を読みます。
プロジェクト側では、リポジトリの最上位(git root)から現在のディレクトリまで降りながら、各階層の AGENTS.md を順に連結します(出典 https://learn.chatgpt.com/docs/agent-configuration/agents-md )。
公式の表現は「Files closer to your current directory override earlier guidance」です。
記述が矛盾したときは現在地に近いファイルの記述が勝ちます。
部門フォルダに置いた指示が全社の指示を上書きする、という挙動になります。
合計32KiBで静かに打ち切られる
公式原文は「stops adding files once the combined size reaches the limit defined by project_doc_max_bytes (32 KiB by default)」。
訳すと「各階層の AGENTS.md を連結した合計サイズが project_doc_max_bytes で決まる上限(既定32KiB)に達すると、それ以上ファイルを足さない」です。
警告の記述はありません。
気づけない前提で、正本は短く保ちます。
project_doc_fallback_filenames で CLAUDE.md を正本にできる
Codex の設定には project_doc_fallback_filenames というキーがあります。
型は array
訳すと「AGENTS.md が無いときに試す追加のファイル名」です。
判定は階層ごとです。
各ディレクトリで AGENTS.override.md、AGENTS.md、そのあとに project_doc_fallback_filenames の順に探すので、AGENTS.md があるディレクトリではそこだけ CLAUDE.md が使われません。
ここに CLAUDE.md を足せば、同じ中身を別の名前でも読めるようにする設定(シンボリックリンク)を使わずに CLAUDE.md を正本にできます。
ただし CLAUDE.md という例示は公式には無く、自社の設計としての使い方です。
結果が割れる原因のひとつは、読み込みのタイミングの差です。
Claude Code の公式のデバッグのページには「Subdirectory CLAUDE.md files load on demand rather than at session start, so they don't appear in that breakdown.」とあります。
訳すと「サブディレクトリの CLAUDE.md は、セッション開始時ではなく必要になったときに読まれるため、読み込み内容の一覧には出ない」です。
Codex は起動時に連結するので、読まれる瞬間がずれます。
推測:Codex は @ による取り込みを解釈しないと思われます。
公式には肯定も否定もないので、AGENTS.md に @CLAUDE.md と1行書くだけの運用は避けておくのが安全です。
正本を1つにする3つの置き方と、選び方
方式A:CLAUDE.md を正本にして Codex 側で拾う
すでに CLAUDE.md に資産がある会社はこれです。
Codex 側で AGENTS.md が無いときに試すファイル名(project_doc_fallback_filenames)に CLAUDE.md を足せば、リンクを張らずに同じ正本を読ませられます。
この設定は各自の ~/.codex/config.toml に書くので、一人ずつ入れます。
各ディレクトリで AGENTS.md があるとそこだけこの設定が使われないので、正本を読ませたい階層に AGENTS.md を置きません。
ただし GitHub の対応表では VS Code の Copilot Chat が読む指示書に CLAUDE.md が無いので、VS Code の Copilot Chat を使う会社は AGENTS.md を正本にするほうが無難です。
方式B:AGENTS.md を正本にして Claude Code の既定に任せる
新規に整えるならこちらが第一候補です。
AGENTS.md は中立の組織が管理していますし、GitHub Copilot のクラウドのエージェントも AGENTS.md、CLAUDE.md、GEMINI.md を読みます(出典 https://docs.github.com/en/copilot/reference/custom-instructions-support )。
将来ツールを増やしても、置き場所を増やさずに済みます。
ツールごとに読むファイル名がずれる点だけ覚えておいてください。
VS Code の Copilot Chat は AGENTS.md のみ、GitHub.com のコードレビューは REVIEW.md も読みます(同出典)。
方式C:シンボリックリンクで同じ中身を2つの名前にする
以前の名前である AGENT.md(単数)を使っている場合の移行例です。
mv AGENT.md AGENTS.md と ln -s AGENTS.md AGENT.md の2コマンドで済みます。
既存の CLAUDE.md は mv CLAUDE.md AGENTS.md で名前を変えてから ln -s AGENTS.md CLAUDE.md を実行し、CLAUDE.md を AGENTS.md の別名にします。
ただし Windows が混ざる会社は注意が要ります。
推測:Git の設定 core.symlinks を無効にしたまま Windows でリポジトリを取り出すと、中身がファイル名の文字列だけのファイルになります。
社内に Windows があるなら、方式Aか方式Bを選んでおくほうが無事です。
| 方式 | 正本にするファイル | もう片方での設定場所 | 向く環境 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 方式A | CLAUDE.md | 各自の ~/.codex/config.toml に project_doc_fallback_filenames を追加 | CLAUDE.md の資産がすでにある会社 | 判定は階層ごとで、AGENTS.md があるディレクトリではこの設定が使われない。GitHub の対応表では VS Code の Copilot Chat が読む指示書に CLAUDE.md が無く、この環境では正本が読まれないおそれがある。Codex 公式に CLAUDE.md の例示はない |
| 方式B | AGENTS.md | Claude Code は既定モードのまま(設定変更なし) | これから新規に整える会社 | 既定モードの条件は「自分の指示書を持たないプロジェクト」。CLAUDE.md や CLAUDE.local.md を残すなら claude-md-and-agents-md にする。クラウドの基盤経由(Bedrock・Vertex・Foundry)は AGENTS.md 対応が入っていない(v2.1.277 の原文)ので、その環境では方式Aか方式Cにする |
| 方式C | AGENTS.md(別名をリンクで用意) | シンボリックリンクを1本張る | macOSとLinuxだけで開発している会社 | 推測:core.symlinks を無効にしたまま Windows で取り出すと、中身がファイル名の文字列だけのファイルになることがある |
どの方式でも、Codex 側の32KiBを踏まえて正本は要点だけにします。
細かい決まりは .claude/rules/ へ分けます。
よく使う作業の手順を置く docs/runbooks/ は自社で決めるフォルダ名で、表1の自動で読まれる置き場所ではありません。
末尾の実例のように、正本の「参照先」に書いて見に行かせます。
Codex は .claude/rules/ を読まないので、Codex にも守らせる決まりは正本に残します。
会社の指示書に何を書き、何をどこへ置くか
指示書に書くのは、ルールと判断基準・用語・禁止事項・成果物の形
Re-rail は、約50社・20業界(2026年7月時点)の法人セットアップで、アカウントを配って終わりにせず「使われる状態」までを導入と呼んでいます。
その中心にあるのが会社の指示書づくりです。
キックオフから設定を終えるまでは2〜4週間が目安です。
指示書に書くのは4つだけです。
社内のルールと判断基準、社内用語、禁止事項、成果物の形。
公式のベストプラクティスにも、曖昧な表現を避けて具体的に書くための良い例と悪い例の対比が載っています(出典 https://code.claude.com/docs/en/best-practices )。
指示書を職務記述書として書く考え方は、CLAUDE.mdを職務記述書として書く記事で別に整理しました。
個人の設定と話題ごとの決まりは正本から分ける
個人の好みは CLAUDE.local.md に置きます。
自動では作られないので手で作り、.gitignore に入れます。
CLAUDE.local.md を置くと、既定モードでは AGENTS.md が読まれなくなります(公式README)。
AGENTS.md を正本にしているなら、先に読み込みモードを claude-md-and-agents-md にして、/context の一覧に AGENTS.md と CLAUDE.local.md の両方が出ることを確かめます。
話題ごとの決まりは .claude/rules/*.md に分けます。
rules はファイル先頭の設定欄(frontmatter)に paths を書くと対象パスを限定でき、成果物の形をフォルダ別に縛れます(出典 https://code.claude.com/docs/en/claude-directory )。
指示書と自動メモリで分担する
意思決定の記録、案件ごとの判断基準、進捗は、指示書ではなく自動メモリ(~/.claude/projects/
Claude が自分で書き足す場所です。
毎セッション読まれるのは先頭200行または25KBまでなので、記録が増えるほど末尾が黙って無視されます。
Re-rail では、構成の設計から完了判定までを一本の流れで組んでいます(Claude Code / Codex の法人セットアップ )。

パスごとの細かい決まりは .claude/rules/ に分けます。正本が薄いほど、Codex が各階層の AGENTS.md を合計32KiBまでしか読まない打ち切りにも強くなります。Codex は .claude/rules/ を読まないので、Codex にも効かせたい決まりは正本に残します。
禁止事項は指示書では守られない
公式が「コンテキストであって強制設定ではない」と明記している
公式のメモリのページには、こう続きます。
「To block an action regardless of what Claude decides, use a PreToolUse hook instead.」
訳すと「Claude がどう判断しても操作を止めたいなら、代わりに PreToolUse フックを使う」です。
PreToolUse フックは、Claude がファイルの書き込みやコマンドの実行といった操作(Claude Code ではツールと呼びます)を行う直前に、自分で用意したプログラムを走らせ、条件に合えば止める仕組みです。
禁止事項を指示書に書いただけでは、止まりません。
公式のベストプラクティスも、CLAUDE.md の指示は助言でフックは確実に実行されると明記しています。
文章で伝える指示と、仕組みで止める担保は別物です。
止めたい操作はフックと権限で担保する
権限は、Claude が行う一つひとつの操作を許可するか拒否するかで決めるルールで、後述の管理設定で配る「権限のルール」がこれです。
私は自社のリポジトリでも、決めた場所以外へファイルを書き出す操作と、外部へデータを送る形のコマンドをフックで見張っています。
全社の統制は管理者が配る設定で行う
Re-rail では管理設定で次の4つを、各自が上書きできない形で固定しています。
個人アカウントでの業務利用を止める設定、権限のルール、外部連携(MCP)の許可リスト、作業できる範囲を区切るサンドボックスです。
読み込みモードの managed-only は、プロジェクトと各自の指示書を読み込まず、管理者が配る CLAUDE.md と自動メモリだけを残す設定です(出典 公式 agents-md README)。
プランの選び方も、ここで分かれます。
データを学習に使わせない設定だけが目的なら、個人向けの有料プランでも足ります。
管理者が全員の設定を強制する、監査の記録を残す、退職者のアクセスを止める、までを求めるなら Team か Enterprise です(2026年7月時点の整理)。
学習利用の設定は https://privacy.claude.com 、プランごとの機能は https://claude.com/pricing を見ます。
同じ指示で両方が同じ結果を出すか確かめる手順
まず、どのファイルが読まれたかを見る
Claude Code 側は /context でどの指示書が読まれたかを見て、/memory で中身を開き、/doctor で設定の不整合を調べます。
さらに claude –safe-mode は、自分で足した設定と、管理者が配る CLAUDE.md・スキル・プラグイン・MCP を止めて起動します(管理者が配るフックと設定の方針は残り、権限のルールも通常どおり働きます)。
差が出たら、原因は安全モードが止めた設定の中にあると絞れます(出典 https://code.claude.com/docs/en/debug-your-config )。
Codex 側は /status で、AIに読み込ませている情報量(コンテキストの使用量)とレート上限(一定時間に使える量の上限)を確認します(出典 https://learn.chatgpt.com/docs/reference/slash-commands )。
| 順番 | 使うコマンド | わかること | 合格の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | Claude Code の /context | どの指示書がセッションに読み込まれたか | リポジトリ直下に置いた正本が一覧に出ている |
| 2 | Claude Code の /memory と /doctor | 指示書の中身と、設定の不整合の有無 | 設定ファイルの誤りが報告されない。正本(AGENTS.md・CLAUDE.md)の読み込みに関係しない指摘は対象外 |
| 3 | claude –safe-mode | 自分で足した設定と、管理者が配る CLAUDE.md・スキル・プラグイン・MCP を止めた状態との差(管理者が配るフックと設定の方針は残り、権限のルールも通常どおり働く) | 出力の形のズレや指示が効かない現象が安全モードで消えれば、原因は止めた設定の中にあると判断する |
| 4 | Codex の /status | AIに読み込ませている情報量と、レート上限(一定時間に使える量の上限) | 読み込ませている情報量が表示され、レート上限に達していない |
サブディレクトリの CLAUDE.md は必要になったときに読まれるので、/context の一覧には出ません。
一覧に出ないことと、読まれないことは別です。
同じ短い指示を両方に出して出力の形を比べる
次に、同じ短い指示を Claude Code と Codex の両方に出します。
比べるのは中身の良し悪しではなく、出力の形です。
見出しの付け方、ファイル名の付け方、言葉遣い、禁止事項の守り方、成果物の置き場所の5点を見比べます。
/init の扱いも先に決めておきます。
Codex の /init は AGENTS.md の雛形を作ります(出典 Codex 公式のスラッシュコマンド)。
Claude Code の /init は CLAUDE.md を作ります。
推測:正本1本の運用で確認せずに実行すると、正本が2つに増えます。
ズレたら、読み込みのタイミングの差を疑う
出力の形がズレたときは、まず読み込みのタイミングを疑います。
Claude Code は下位フォルダの CLAUDE.md を必要になったときに読み、Codex は起動時に連結します。
部門フォルダに置いた指示が Codex では最初から連結され、Claude Code ではその作業に入るまで読まれない、という差が出ます。
お客様への引き渡しが終わったと判断する4点
Re-rail の法人セットアップでは、お客様に運用を引き渡すときの完了判定を次の4点にしています。
- docs/runbooks/ にまとめたよく使う作業の手順を、担当者が自分で最後まで実行できる
- 指示書の4要素(ルールと判断基準・社内用語・禁止事項・成果物の形)を担当者が自分で埋め切れる
- つないだ外部ツールで、担当者が実際の操作を1つ成功させる
- 主目的の業務を1件、担当者が最初から最後まで通せる

よくあるご質問
AGENTS.md は OpenAI 専用の形式ですか
いいえ、違います。
2025-12-09 に発足した Agentic AI Foundation(Linux Foundation 傘下)が管理しています。
Claude Code も GitHub Copilot のクラウドのエージェントも読みます。
どちらを正本にすべきですか
新しく整えるなら AGENTS.md です。
すでに CLAUDE.md に資産があるなら、AGENTS.md を置かず、Codex 側で AGENTS.md が無いときに試す名前(project_doc_fallback_filenames)に CLAUDE.md を足します。
ただし VS Code の Copilot Chat を使う会社は、AGENTS.md を正本にします。
どちらでも、正本は1つにします。
読み込みモードの設定をリポジトリに入れて全社に配れますか
配れません。
プロジェクトの .claude/settings.json ではプラグイン設定が読まれないためです。
全社に強制できるのは管理設定だけで、各自のユーザー設定は一人ずつ入れます。
エンジニアでなくても運用できますか
できます。
指示書とよく使う作業の手順を先に作っておけば、毎回ゼロから説明しなくて済みます。
読まれているかは /context で目で見て確かめられます。
完成した AGENTS.md の実例
本文で説明した要素だけで組んだ雛形です。
32KiBの上限があるので、雛形そのものを短く保っています。
# AGENTS.md
## このリポジトリの目的
社内の受注管理と見積作成を扱う。顧客に出す文書はすべて日本語。
## 社内用語
- 案件: 受注前の見込みを含む取引の単位
- 確定見積: 社内承認が終わり、顧客に送付できる状態の見積
## 判断基準
- 迷ったら作業を止めて確認する。推測で埋めない
- 数値を出すときは、必ず参照したファイル名を添える
- 事実と意見を分けて書く
## 禁止事項
(仕組みでの担保は PreToolUse フックと権限設定で行う。ここは意図の共有)
- 顧客名を成果物のファイル名とコミットメッセージに含めない
- 認証情報をファイルに書き込まない
## 成果物の形
- 出力先は output/ 配下。リポジトリ直下に新規ファイルを作らない
- 文書は Markdown。見出しは h2 から使う
## 参照先
- パスごとの細かい決まり: .claude/rules/ を見る
- よく使う作業の手順: docs/runbooks/ を見る
もう片方のツールでの設定は、次の位置に置きます。
# Codex: CLAUDE.md を正本にする場合(~/.codex/config.toml)
# 各ディレクトリで AGENTS.md が無いときだけ使われる。正本の階層に AGENTS.md を置かない
# キーの一覧は https://learn.chatgpt.com/docs/config-file/config-reference
project_doc_fallback_filenames = ["CLAUDE.md"]
// Claude Code: 読み込みモードは各自のユーザー設定(~/.claude/settings.json)か管理設定に置く
// プロジェクトの .claude/settings.json では読まれない
// 値の一覧は https://github.com/anthropics/claude-code/blob/main/mods/agents-md/README.md
// 下の値は置き場所を示す例で既定のまま。両方読ませるなら claude-md-and-agents-md にする
{
"pluginConfigs": {
"agents-md@builtin": {
"options": { "instructionFiles": "claude-md-or-agents-md" }
}
}
}
まとめ:正本は1つ、配り方を間違えない、禁止はフックで
正本は1つに寄せて、もう片方の設定から参照します。
読み込みモードの設定はリポジトリでは配れません。
全社に強制するなら管理設定、各自に入れてもらうならユーザー設定です。
禁止事項は指示書ではなく、PreToolUse フックと権限設定で担保します。
この記事の公式ドキュメントの確認日は 2026-10-22 です。
仕様は更新されますし、クラウドの基盤経由での対応状況のように、公式リリースノートから読み切れない部分も残っています。
自社の環境で /context と /status を開いて、自分の目で確かめてください。
Re-rail では、Claude Code と Codex の法人セットアップで、指示書の設計から完了判定までを一緒に組んでいます。
指示書を2つ置いたまま止まっている、どちらが効いているか分からない、という段階からのご相談もあります。
法人でのClaude Code / Codex 導入
Claude Code / Codex
法人セットアップの相談
自社の業務に合わせて、どこから導入するかを一緒に決めます。
設定から社内で使い続けられるまでを、Re-railが支援します。